ジョージアン　ダイヤ　ジャルディネット　リング＜鑑別書付＞ [SC2-210]

可愛らしく、重厚感をも感じさせるジョージアンのリングは、最高の匠の技を感じさせます。

18世紀迄に作られたジュリーの多くは、貴金属は鋳潰され、宝石類は台座から外され、他のものに作り変えられてしまい、オリジナルの状態で見られることは稀だそうです。
その現実を潜り抜け、穏やかな表情で微笑む当リングは、正にサバイバー。

この頃は、フランスを中心に流行したロココ様式の影響を受け、草花等の自然主義的モチーフが多く見られたそうで、取り分けジャルディネット（Giardinetti、小さな庭）と呼ばれる、ダイヤと色石を使って草花や花籠を表現したリングが大変に持て囃されたそうです。

その流行の流れを汲むのか、当リングは、生き物のぬくもりややさしさを感じさせる、心あたたまる雰囲気を放っております。
正面から見ると、立体的に幾重にも花弁の重なるデイジーの花の様です。
側面から見ると、こんもりと盛り上がる、ユーモラスなきのこの様。
シャンクには、森の中を散歩中に目にした事がある様な、懐かしい模様が刻まれており、まるで、きのこの“柄（足）”の様。
そう思ってみてみると、石座の装飾までも“ヒダ”に見えて参ります。

一石一石、おくるみに包まれる様に、大切そうにくるんと金に包まれる様なセッティングです。
クローズドセッティング（closed setting）は、石の裏側が覆い閉じられるのみならず、深い色の輝きを得たり、色調を均一化することを意図し、金属箔が敷いてあります。
なるほど、この技法の効果は、実感出来るものです。
ローズカットのダイヤは、底が無い湖面の様で、何処まで深いのか分からないミステリアスな深みを感じさせます。
また、鏡の様な、シャープな金属質の輝きを見て取る事が出来ます。
赤い石は、確かに鮮明な、しかも、光量に関係なく、一定に、安定した美しさを保っております。
　

『宝石鑑別書』には、下記事項が明記されております。
○鑑別結果　　鉱物名：天然ダイヤモンド
○外観特徴　　透明・無色
○形　　状　　ローズカット　1石　　　リング
　　　　　　　赤色石　ルビー　13石
　　　　　　　赤紫色石　ガーネット　1石


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